|
|
上槽(吟醸)
発酵を無事終えたもろみは、酒袋と呼ばれる子袋に
詰められ、搾りの作業に入ります。
「少しずつそんな袋に
入れるんかい。 しかも、タンクの真ん中、
一番旨そうな所だけ。
ずっこいなあ、
良いとこ取りやないか。
それにしてもあんたら、
楽しそうやなあ。
旨い酒独り占めする
気やないやろな。
ちゃんとみんなに呑ましたってな。たのむで、ほんま。」
|
|
|
上槽(吟醸)
酒袋一つ一つを受け皿になるタンクの縁に
吊るしていきます。これは「首吊り」とも言われ、
昔ながらの伝統的な方法です。
「おいおい、一個ずつ吊るすんかい。日が暮れてまうぞ。
何もそこまでせんでもいいんやぞ。わしら、なんかえらい
手間かけとんのやな。頭が下がるで、ほんま。
そんなもん機械でぱあっーとやったら、あかんのかい。
日本人は働きもんやで。
こんな時代にも昔から変わらんもんも在るんやなあ。」 |
|
|
上槽(吟醸)
一つ一つ吊られた酒袋には、手間隙掛けたお酒と
一緒に蔵人の情熱と想いが詰まっています。
自然に任せ流れ落ちる原酒には、この上ない贅沢の
限りと昔ながらの杜氏の技術が育まれています。
お酒は皆様に呑んで頂く為に醸されます。
蔵は絶えず飲み手の顔を思い浮かべながら、
過酷とも言える酒造りに従事しています。
蔵人に対する労いはただ一言
皆様の「おいしい」という言葉に掛かっています。
「じんわりと搾られる感じで気持ちええなあ!
無理やり力任せに搾られるのとは、旨みの出方が違うワイ。 一滴ずつ、ゆっくりと流れ落ちる、風流やないか。
ここだけ、時がゆっくり流れとる感じやで。
こんな事してもろたら、いやでも旨い酒にならんと
申し訳ないやないか。よっしゃ、まかしときィ。
その代わり、みんなも飲んでや」 |
こめ太郎の冒険はなおも続く!(随時更新) |
|