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甑(こしき)
精米・浸漬を終えた酒米を大きな釜の上に置かれた
「甑」と呼ばれる桶で蒸します。蒸し加減も後の酒造りを
左右する大事な工程のひとつです。
「おいおい、なんかえらい暖かいやないか。
最初に体を磨かれたと思ったら、水風呂に浸けられて、
今度は蒸気かい。ここはサウナか?
しかも蒸気が満遍なく、出るようになっとる。
この心遣い嬉しいやないか。それにしても気持ちええなあ。
寝てまいそうやで。」 |
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向右手前より 高野(正)・中野・近藤
向左 高野(孝) |
麹造り
放冷した蒸米は麹室に運ばれ(引き込み)、床もみ
(蒸米全体の温度が均一になるよう混ぜる)の後、
種麹を振りかけて、麹造りが始まります。
「おっと、
寝てしもたやないか。
ここはどこや、
体の火照りも取れたし。
暖房も入ってるな。
お、何か振り掛けてるぞ。
こいつら何もんや。
ちょっと待ってえなあ、
体白うなってもうたぞ。
どないしてくれるんや。
お前何持ってるねん、
布かそれ。
そんなもん被せて何するきや。
ほれ見い、真っ暗になったやないか。
又、寝えゆううんか、わし起きたばっかやぞ。」
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切り返し(麹)
蒸米を崩して、かたまりをほぐす事を「切り返し」と
言います。全体の品温を均一にし、酸素を供給する
役目も果たしています。
「なんじゃ、あの機械は?
やめて、そんなもんに入れんといて。
わぁ〜、みんな何処行ったんじゃ。
周り知らん人ばっかやないか。
せっかく、ご近所さんと仲ようなったと思たのに。
みんなバラバラになりよった。
えらんことしてくれるで、ほんま。」(大事なことです) |