<福井地酒 森酒舗>「黒龍」「花垣」「米百俵」「池月」「東長」
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栃倉酒造 仕込み報告!(平成11年度)

今年の春に田植えをした稲は、9月上旬には黄金色に実り無事稲刈りを終えました。
10月中旬には蔵人の入蔵も終え、今期の酒造りの準備にかかっております。
今年は少し早めの入蔵で、まず「しぼりたて生原酒」の仕込みが行われるようです。

10月20日 蔵人の入蔵(にゅうぞう)
 蔵人が集まり、これから始まる酒造りの準備に取り掛かります。
 3月頃まで忙しい日々が続き、「技」が冴え渡ります。
   25日 洗付(あらいつけ)
 精米された「酒米」を洗います。今期初の洗米作業で、
 水を吸い過ぎないよう気を配って洗い、その後吸水させます。
   29日 もと立て
 今期初めての「酒母」を仕込みます。この酒母がお酒の出来を左右します。
11月 5日 初添仕込み(そえ)
 お酒は何段かに分けて仕込まれます。出来上がった酒母に一段目が仕込まれると、
 発酵が始まりポツポツと泡が立ち、「もろみ」が息をし始めます。
    7日 初踊   (おどり)
    8日 初中仕込み(なか)
    9日 初留仕込み(とめ)
 最後の段を加えて、後はじっくりと「発酵」が進むのを待ちます。
 約1ヶ月の間、蔵人に見守られてお酒が出来上がります。
   11日 2本目の留仕込み

 今年は豊作でしたが豊作の年の米は粒が小さく、しかも夏季に高温が続いた影響で
 精米時に米が砕け易い傾向があります。又、洗米の際の吸水が多くなり易く、米が
 溶け易くなります。蔵人はその事を踏まえて「蒸し」により気を配った対応を要求されます。
 一年一年、米の出来は微妙に違いが有り、豊作と言えども手放しで喜ぶ事はできません。
 又、その年の米の傾向は醸して見るまで解らない所もあり、少しでも早くそれを見抜き
 その米に合わした細かい造りを行うのも杜氏・蔵人の技量の一つです。
 何十年もの経験を持つ杜氏が絶えず勉強と言うのは、その為です。

12月 2日 いよいよ「搾り」始まる
 社長よりメールが届きました。

 「前略 十二月に入り、 少し忙しくなってきましたが、そちらは如何ですか。
  ところで酒の搾りがはじまりました。 いまのところ第一号が本醸造で、
  二号が純米酒です。酒の出来はよい良いようです。 続いて普通酒とつづきます。
  今年は気温が高く、いずれも予定より、 一日ないし二日早めのしぼりでした。
  まもなく皆様のお手元に新酒がお届け出来ると思います。
                                     99,12.2 栃倉恒栄」
   20日 1本目の大吟醸の洗付・麹立て
   23日 搾りが10本目に至る
 19日頃から本格的に雪が降り始めた事で気温も下がり、温度管理が楽になりました。
 今年の造りはより酒質向上を目指し、粕歩合を少し高めにしているそうです。
                                        (郷杜氏・恒明氏談)
   24日 いよいよ大吟醸・もと仕込み始まる
 気温も下がり1年で最も冷え込む時期を目掛けて、いよいよ大吟醸の仕込みが始まります。
 極寒の中、蔵人達は神経を研ぎ澄ませ、酒造りも山場に差し掛かります。がんばれ!
 1月 4日 大吟醸・添麹の洗米
    8日 大吟醸・添仕込み
 お正月3ヶ日は仕込みもお休みです。蔵人のつかの間の休息です。
 お休みといっても酒造りは続いており、酒の管理を怠る訳もなくゆっくりはできません。
 これもひとえに皆様の「おいしい」という言葉が聞きたいが為、ご苦労様です。
     9日 大吟醸・二本目に入る
 この後も上記のような作業が続きます。
「 最近の長岡のとんでもない天気状況!
 1月19日 最高気温なんと12℃、これは3月上旬の気温で青空いっぱいでした。
        いまにも桜が咲きそうな暖かい1日でした。
 1月20日 午前中の青空が一転、午後から雪がチラツキ始め午後10時頃までで
        すでに11cmの積雪になりました。
 1月21日 青空と吹雪、一日中大荒れで夕方はすごく冷え込み辺りが凍りました。
        夜中には8cmの積雪を記録しました。
                                   by 西脇酒店 西脇圭介 」
 2月12日 甑(こしき)倒し
 蒸し米が終わり、こしきと呼ばれる釜を崩す。

 仕込みは終わりを迎えても、酒造りはまだまだ続きます。
 もろみの発酵具合の管理や、搾り・ろ過・火入れなど、気の抜けない作業が
 残っています。
蔵人は一つ一つの酒の成長ぶりを見ながら、丁寧に酒を
 育てていきます。
物によっては丸1年程かけて瓶詰めに漕ぎ着けるなど、
 決してあせらず、
それでいて素早い決断で、愛情を持って酒を導いていきます。
 毎年変わることなく同じように時を重ね、日本酒の伝統は受け継がれて来ました。
 それはこれからも変わりません、おいしい酒を欲する人々がいる限り。
 3月 6日 搾り終了
 今年は出麹を枯らす、枯らし室を改良しより高品質の麹を造れるように工夫されたそうです。
 私達には些細な事のように思える事でも、出来上がる酒を左右しかねない事が多々
 あるようです。
蔵人の話を聞くと酒造りには、いかに研ぎ澄まされた感性と集中力が
 必要なものなのか思い知らされる気がします。
 まだまだ、勉強不足の私には気が遠くなるような世界です。
 普段何気なく呑んでいるお酒一本にも、このような人々の
気配りがあって生まれて来ます。
 ありがたい事です。
 4月19日 皆造
 蔵人もやっと仕事を終えて帰路につきます、どうもご苦労様でした。
 又来期も旨い酒をよろしくお願いします。

     

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